がんばること って日本人の美徳・美学であるとおもう。


がむしゃらにがんばって何かを成し遂げる。

とても素晴らしいと思う。

真っ直ぐでとてもわかりやすい。


できないのは努力が足りないから。

わたしもそう思ってた。

できたわたしは努力が報われたのであって

できない誰かは努力を怠っているだけだって。


そんなことが通じない世界があるなんて思ってもみなかった。


『がんばらないことをがんばってください』

治療にあたってそういわれたことがある。

ただがむしゃらのがんばりは症状をより混乱させる。

がんばらないのはがんばることより難しい。

わたしは病気だから。ってその上にあぐらをかいてしまえば、甘えてんなよって叩かれる。

歩けなくても立ってみせなきゃ、立てなくても身体を起こさなきゃ、存在は認められない。

辛い。

がんばって治さなきゃ、なんで治らないの、悪化してよけいひとり追い詰められる。

悪循環の連鎖はとめなきゃいけない。

がんばらないことをがんばるんだ。



わたしたちの命はただ生きるためだけにあったはずなのに

気づけばたくさんのことを強いられている。

本来生物は呼吸しているだけでもその形は美しいはずなのに。


いまは息をしているだけで、いい。

それだけがんばってくれたら、いい。