おばあちゃんは膠原病だった。

もう長いこと患っていた。

一日にたくさんの薬を飲んだ。

調子の悪いときは全身がむくみ、おばあちゃんとは違うひとのようになった。

痛風もありトイレにいくときには「いたいいたい」と悲鳴をあげながら歩いていた。

長く不調が続くと頭の中で思っていることを延々と口に出して喋っているようだった。

「なんでわたしがこんなめにあうんかねぇ」

「なんかわるいことしたんじゃろうかねぇ」

「なんかわるいことしたんじゃろうねぇ」


年を取ったということもあるけれど

病気による全身の痛みで身体は意のまま自由に動かせなかった。

「めがさめるとねわかいころのつもりでおきようとするんじゃけどからだがうごかんのよ」


病気は誰にでも罹りうる。

人はみんな年をとる。

いつかは死ぬ。

それを全て受け入れるのは容易ではないけれど。


「あと5年は世の中をみてみたい」

そういったおばあちゃんは今年の2月に亡くなった。