「いきることをやめないために ほかのことをやめてもいい」

どこかの誰かの言葉。


生きることってそんなに大事ですか。

わからないから、まだ生きます。



わかってる。


なにがしたいか。

なにをすべきか。

そんなこと関係なく

ただ命あるわたしは生きることをしていればいい。

ただそれをすべきなんだ。


なぜ意味を知りたがる。

なぜ理由を求めたがる。


無能な馬鹿のくせに。

命あるわたしは生きることをしていればいい。




木

人間は自然の一部。

よくわかる。


わたしの病気も自然の一部。なんだって。

よくわかるような、わかりたくないような。


へたに逆らうと痛い目に遭うことだけはもうよくわかってる。

波が去るのをひたすら待つだけ。


しぜんのままに

あるがままに


そんな気持ちでいけたらなら・・・

しにたい。のは

生きたくて生きたくて生きていきたくて、

それでも生きていくことが苦しくてたまらないから。


「生」と真正面から向き合っているから。

「生」に絶望するのは「生」に希望をもっているから。



しにたい。と言って泣くひとがこぼす涙は

いきたい。からこぼす涙。



時折夜中に発作を起こす。

眠っていて目が覚める。

気分が悪い。


なにかへんなものたべたっけ。

かぜでもひいたかな。

身の置き所がなくなって床に転がる。

どうしよう具合が悪い。

どうしよう。


少し前にこれもパニック発作だということを知った。

それまでは夜中に具合が悪くなり朝起きるとなんともない、

なんだったんだろうなぁ、と思っていたんだけど。


なので最近はすぐに頓服を飲んでベットに戻って眠ることにしている。






おすわり

わたしがずっと部屋にいるとうれしいらしい。






あかり


醜い言葉がとまることなくあふれてきそう


くちをつむぐ

くちをつむぐ


なかないようにうでをつねる


誰かを傷つける前に眠る


ねむろう。

いばらの上を素足で歩くような苦痛を感じながら

日常のもろもろのことをやり遂げなければならない。

思考は停滞。

身体の反射が鈍く手足がぎしぎしする。

なにもかもが思うように進まない。

苛立つ。

泣きたくなる。


なにもしないでゆっくりやすみなさい。


衣食住、それにまつわるもろもろのこと。

やらなきゃ生活は傷んでくる。


なにもしないでゆっくりやすみなさい。


目が覚める度に押し寄せる

生きていくためのもろもろのこと、いばらの上に立っているようだ。


なにもしないでゆっくりやすみなさい。


なにもしないで生きていくことなんて、できる?


わたげ

考えすぎだといわれる。

考えるのをやめろといわれる。


わたしはひとの頭の中をのぞいたことがない。

わたしは自分の頭の中ものぞいたことがない。

違いなんて比べようがない。


考えすぎだとわれる。

考えるのをやめろといわれる。

わたしはどうやってくるくる回る思考を止めるかなんて知らない。

意識がある限り考えることをやめるなんてできないんじゃないの?


そういわれて外に出せなくなった想いは延々と身体の中を回り続ける。

出口が、みつからない。


頭が身体が膨らみはじめる。




おばあちゃんは膠原病だった。

もう長いこと患っていた。

一日にたくさんの薬を飲んだ。

調子の悪いときは全身がむくみ、おばあちゃんとは違うひとのようになった。

痛風もありトイレにいくときには「いたいいたい」と悲鳴をあげながら歩いていた。

長く不調が続くと頭の中で思っていることを延々と口に出して喋っているようだった。

「なんでわたしがこんなめにあうんかねぇ」

「なんかわるいことしたんじゃろうかねぇ」

「なんかわるいことしたんじゃろうねぇ」


年を取ったということもあるけれど

病気による全身の痛みで身体は意のまま自由に動かせなかった。

「めがさめるとねわかいころのつもりでおきようとするんじゃけどからだがうごかんのよ」


病気は誰にでも罹りうる。

人はみんな年をとる。

いつかは死ぬ。

それを全て受け入れるのは容易ではないけれど。


「あと5年は世の中をみてみたい」

そういったおばあちゃんは今年の2月に亡くなった。



郡星

誰に迷惑をかけてはいないと居直る

あなたのちいさなわがままやめんどくさがり


食べ物をゴミにしてしまったり

ざあざあと電気もガスも垂れ流したり

消費は美徳の世界はもう終わったんですよ


誰に迷惑をかけているわけではないと居直る

あなたのちいさなわがままとめんどくさがりが

今この瞬間にも誰かを悲しみへと追いやっている


電気もガスもない貧しく美しい島

海へと沈む島と人の命

島に住む女性は言った

「これは無差別殺人だ」



今この瞬間誰かの命を奪いにかかっている

PCのうなる音もわたしのため息すらも。